三重県にある鳥羽水族館では人魚のモデルとされているジュゴンが日本で唯一飼育展示されています。今回はジュゴンの「セレナ」と、セレナと仲良しの「カメ吉」の物語をご紹介します。
鳥羽水族館のジュゴン・セレナの年齢は?
鳥羽水族館にいる「セレナ」はメスのジュゴンです。
1987年4月15日にフィリピンから鳥羽水族館にやってきました。
入館当時の年齢は1歳で大きさは147.5cmでしたが、2019年4月15日には260cmになったと飼育員さんの飼育日記に記載されていました。
2019年で33歳ということですね。
ジュゴンってどんな動物?
ジュゴンの見た目はクジラに似ている胴体と小さな頭を持つ大型の草食獣です。
主に地底にある海草を食べています。
哺乳類で、人魚のモデルとなったとも言われています。
分類は海牛目ジュゴン科です。
大きさは体長3mで体重は450kgにもなるのだとか。
セレナはまだ成長途中ということでしょうか。
寿命は70年以上といわれています。
6~17年で繁殖可能となり、妊娠期間は13~15か月で1回の出産で1頭の子供を産みます。
しかし、個体の増加率が低くて5%以下と言われているため、種を維持するために捕獲できるのは全体の2%以下と言われています。
主食は海草ですが、カニやホヤなどを補助栄養として食べることがあります。
日本にもジュゴンはいる
オーストラリアなどの熱帯から亜熱帯の浅い海域に生息しているジュゴンですが、日本にも生息していることが確認されています。
それは「沖縄」です。ジュゴンが見られる世界中で最も北の場所が沖縄なのだそうです。
ですが、1960年代以降は確認が稀になり生き残っているのは50頭以下といわれていて絶滅寸前となっています。
ジュゴンは飼育が難しい?
寿命が70年以上とお伝えしましたが、これは野生のジュゴンの場合です。
ジュゴンの飼育はとても難しいようです。
なぜなら、とても神経質で音や光に敏感だからです。
世界では30例以上の飼育記録がありますが、いずれも短期間の飼育に終わってしまいました。
鳥羽水族館では1977年からジュゴンを飼育研究しています。
1987年にはフィリピンの当時の大統領であるアキノ大統領から日比友好の印としてメスの「セレナ」がプレゼントされました。
2018年の9月15日には、ジュゴンの飼育日数世界記録を達成しています。
世界で飼育されているジュゴンの中で一番長生きしているのがセレナです。
これからも記録を更新し続けて長生きしてほしいですね。
鳥羽水族館のジュゴン・セレナと仲良しのカメ吉との物語
セレナには仲良しのアオウミガメの「カメ吉」がいます。
こんな記事がありましたので、ご紹介します。
当時、ふたりは同じプールで同居していました。
アオウミガメのカメ吉の大好物はセレナが毎日食べている「アマモ」と言う海草。この海草を金網に植えて底に沈めると二頭が仲良く並んでその餌を食べていたのでした。
ある日、セレナの一日の摂餌量を調べる必要が生じ、一日中カメ吉を別のプールへ移動したところ、どうもセレナの様子がおかしいのです。
しかも、食欲不振というか一日中ぼんやりと浮かんでいることが多くなってしまったのでした。しかし、カメ吉を元に戻すと再び元気になり、餌も食べ始めるのです。
後に私達は、カメ吉を引き離すことでセレナがきっとて寂しくなって食欲が落ちたのだろう・・と言う結論に達したのですが、真偽のほどは分かりません。(引用元:http://www.doubutsu-no-kuni.net/?p=9217)
ふたりの物語が絵本に
先ほどお伝えしたお話は『ふたりはいつもともだち』という絵本にもなっています。
作者は「もいち くみこ」さん・絵は「つちだ よしはる」さんです。
暖かくて可愛い絵となかよしなふたりのお話に癒されてください。
『ふたりはいつもともだち』金の星社
カメ吉とセレナの現在は?
カメ吉が大きくなり、セレナを追い掛け回したり咬んだりするようになったようで現在は別々の水槽で暮らしています。
2018年12月9日の飼育日記によりますと、カメ吉はセレナのお隣の水槽にいるようです。
潜水掃除をするダイバーの邪魔ばかりするので、掃除の時間は奥のプールに入ってもらうようです。掃除が終わればまた戻ってくるのでお待ちくださいと記載されていました。
かなりのいたずら好きなのかもしれませんね。
まとめ
今回は鳥羽水族館にいるジュゴンの「セレナ」と「カメ吉」についてお伝えしてきました。
鳥羽水族館は絶滅危機にあるジュゴンを見ることができる唯一の水族館です。
絵本『ふたりはいつもともだち』もぜひチェックしてみてください。
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